今回は、私と妹が母のちょっとした“ズレ”に気づいたときの話です。
私たちはそれぞれ両親とは離れて暮らしていて、頻繁に会うわけではありません。
そんな中、妹が帰省中に気づいた「ゴミ出しの曜日がわからない」「お茶碗の数が合わない」といった小さな変化。
当初は「年齢のせいかな?」と思っていたけれど、振り返ってみればあれこそが“最初のサイン”だったのかもしれません。
離れているからこそ気づける違和感。
そして、気づけずに見逃してしまう違和感。
この記事では、そんな“最初のきっかけ”をたどります。
なんとなく感じていた違和感
「なんかお母さん、日付とか曜日がちょっと変なのよ」
「あと、数の数え方もおかしいし、、」
それは、私たち姉妹が母の異変に初めて気づくきっかけとなった瞬間でした。
その時はまだ、まさか認知症の始まりだとまでは思っておらず、
軽く受け止めていました。
けれど、振り返ってみると、
あの違和感こそが“サイン”だったと言って間違いありません。
違和感の始まりは「日付」のズレ
妹からの電話に「え?」と思った瞬間
「ゴミ出しの曜日を確認するけど、すぐ忘れて出しに行こうとしたり、」
「家族4人で来てるのに、お茶碗6個も7個も出したり、お布団もちゃんと人数分あるのに数が足りない!って」
ある日、家族で実家に帰省している妹から連絡がありました。
その1か月ほど前に私が家族で帰省した時には、そんなことは全く無かったので、
「ゴミ出しの日はまちがえりすることもあるよね」
「年齢的なものもあるかもね」
なんて、呑気に考えていました。
最初は、ただのちょっとした勘違いかな?って思ったけど、
何度もわからなくなって混乱している様子に、妹は「何かがおかしい」と感じ始めたのです。
私たち姉妹の最初の反応
直接見ていない私には、ピンと来なかった
妹から連絡を受けた私は、「そんなにひどいの?」というのが正直な感想でした。
年齢的に多少の物忘れはあるだろうし、疲れていたりすればなおさらだよね、と。
でも、妹がくり返し言っていたのは、「“思い出せない”というより、“最初から認識が違ってる”感じ」だということ。
それを聞いて、ようやく私も「ちょっとちゃんと考えた方がいいのかも」と思うようになりました。
今思えば、あれは認知症のはじまりだった
当時は知識もなく、「数字に弱くなったのかな」程度にしか思っていませんでした。
けれど今ならわかります。
日付や曜日、予定など、“時間の感覚のズレ”は、認知症の初期症状としてよくあることなのだと。。
何かおかしい、と思ったら
身近な人の「いつもと違う様子」に、最初に気づけるのは、やっぱり身内です。
でも、その違和感を“気のせい”にしてしまうのも、身内なんですよね。
あのとき、妹が「気のせいかも」と流していたら、母の変化にもっと気づくのが遅れていたかもしれません。
だからこそ、小さな違和感でも、「もしかしたら…」と受け止める勇気が大切なんだと、今では思います。
初期症状でよくあること
記憶障害(もの忘れ)
- 同じ話を何度も繰り返す
- 物の置き場所を忘れる
- 知っている人の名前が思い出せない
- 今しようとしていたことを忘れる
見当識障害
- 日付や曜日、時間がわからなくなる
- 慣れた道で迷う
- 約束の日時や場所を間違える
判断力・理解力の低下
- 料理や片付け、計算、運転などのミスが増える
- 新しいことが覚えられない
- テレビ番組の内容が理解できなくなる
性格や感情の変化
- 怒りっぽくなる、頑固になる
- 周囲への気遣いがなくなる
- 些細なことでイライラする
- ふさぎ込んで何事もおっくうになる
意欲の低下・無関心
- 身だしなみに無関心になる
- 趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなる
- 知っている人の名前が思い出せない
- 外出をおっくうがる