離れていても、できること。
頼れる妹&ぽんこつ姉の遠距離サポート奮闘記

母の認知症

帰省のたびに気づいた小さな違和感・③服装・身だしなみの変化

帰省のたび気づいた小さな違和感・③服装・身だしなみの変化
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こんなことを書いています

私と妹は、両親とは遠く離れて暮らしています。
だからこそ、年に数回の帰省は、両親の“ちょっとした変化”に気づく貴重な時間でした。
今回のテーマは「服装や身だしなみの違和感」。
最初は「ちょっと手抜きかな?」くらいにしか思っていなかったのですが、あとから思い返すと、これも立派な“サイン”だったのだと感じています。

実例/こんなことがありました

服装や身だしなみの変化は、うちの両親の場合は初期にはあまり見られませんでした。
現役時代は外に出るときはきちんとしていないと、っていう仕事だったことも影響しているかもしれんません。

とはいえ、帰省するたび少しずつ変化がいられるようになりました。

「あれ?なんか今日の服、変じゃない?」と思った瞬間

最初に違和感を覚えたのは、母の服装でした。

今まではちゃんと季節に合った格好をしていたのに、ある年の帰省のとき、真冬なのに薄手のシャツ1枚で玄関先に出てきて、「寒くないの?」と思わず聞いてしまったほど。

母自身は「ちょっとそこまでだから平気よ〜」と笑っていたのですが、なんとなく気になりました。

また、別の時には、上下がちぐはぐな服を着ていたり、靴下が左右違っていたり。
「急いでたのかな?」とその場では軽く流していましたが、以前の母ならあまりしなかったようなことでした。

髪型や爪、ちょっとした“身だしなみ”がゆるんでいく

服装以外でも、「あれ?」と思うことが少しずつ増えていきました。

たとえば、髪が伸びっぱなしで白髪が目立っていたり、爪がちょっと伸びすぎていたり。
以前は月に一度は美容院へ行っていたのに、いつからか「面倒になってね」と、行く頻度が減っていたようです。

家にいるときの姿も、以前はある程度はきちんとした服装をしていたのに、もんぺ(柄はまさにもんぺ!)のようなズボンをずっと着るようになって、「これ楽なのよ~」といって昼も夜もほぼ毎日来ていました。。

誰しも年齢とともに「楽ちんが一番!」とか「面倒なのは嫌」などと思うことはあるかもしれませんが、あまりに続くとやはり心配になります。

「清潔感」よりも「無頓着さ」が気になった

一番気になったのは、「だらしない」というよりも「気にしていない」ように見えたことでした。

以前なら「ちょっとそこのお店に行くから」と言っても身支度を整えていた母が、髪がぼさぼさのまま外に出たり、洗濯ジワのついた服で買い物に出かけようとしたり。

その姿を見たときに、「あれ?なんかおかしいかも」と、ようやく違和感が“引っかかり”に変わりました。

見守りのヒント

服装・身だしなみの変化が示すもの

認知症の初期症状として、自分のことに無関心になるという傾向が見られることがあるそうです。

具体的には

  • 季節に合わない服装をする洗濯や着替えの頻度が下がる
  • 髪や爪、肌などのお手入れをしなくなる
  • 汚れていても気にしない

こうした変化は、判断力の低下意欲の低下が背景にある場合もあるとのこと。

もちろん、「ちょっと手を抜いてるだけ」のこともあるかもしれませんが、
少しでも「いつもと違うな」と思ったら、記録しておいたり、次回も同じかどうかを見ておくといいと思います。

「気づいても指摘しづらい」からこそ、さりげなく声かけを

身だしなみに関することって、本人に直接言いづらい話題ですよね。

「それ、ちょっとおかしいよ」と指摘するのは、かえって傷つけてしまうかもしれないし、タイミングも難しい。

私たち姉妹も悩みましたが、なるべくさりげなく、

「最近美容院行ってる?」
「この服かわいいね!新しいの欲しかったら見に行こうか?」
「一緒にネイルしてみない?」

など、“確認”や“提案”の形で声をかけるようにしました。

すると、本人も意外と素直に「そうね、久しぶりに行こうかな」と応じてくれることもありました。

ちいさな違和感を、ちいさなうちに

服装や身だしなみの変化は、とてもささいなことのようでいて、じつは深いサインを含んでいることもあるようです。

遠方に住んでいる私たちにとって、年に数回の帰省はとても貴重な「観察タイム」。

「なんとなく気になる」「ちょっと変かも」という感覚は、大切にしていいと思います。

大げさに騒ぐ必要はないけれど、違和感を記録し、兄弟姉妹や家族と共有しておくことで、早めに気づけることもきっとあるはずです。

  • 離れて暮らしていても、写真やビデオ通話で様子を確認する
  • 帰省時には、洗濯や服の整理を一緒にしながらさりげなくチェック
  • 服やケア用品のプレゼントも、無理なく続けてもらうためのサポートに

*観察ポイント

  • 「季節感のある服装か?」
  • 「清潔感が保たれているか?」
  • 「髪や爪の手入れはされているか?」

 

まとめ:小さな違和感を見逃さないために

遠距離だからこそ貴重な観察タイム

年に数回の帰省は、服装や身だしなみのわずかな変化に気づくチャンス。
普段は見えない「いつもとのズレ」を大切にしましょう。

「手抜き」ではなく「サイン」として受け止める

季節にそぐわない服や、洗濯・身だしなみの頻度低下は、判断力や意欲の変化を映すことも。
軽く流さず、記録しておくことで後から振り返りやすくなります。

さりげない声かけでフォローを

「新しい服見に行こうか?」など、確認や提案の形で声をかけると受け入れられやすく、本人の気持ちにも配慮できます。

日々のリモート見守りも併用して

写真やラインなどのビデオ通話でのチェック、プレゼントを通じた気遣いなど、遠距離でもできるサポート方法を取り入れるとかなり効果的。

身だしなみの変化は、ご本人の生活の質や心のゆとりを映す鏡。

「ちょっと変?」と思ったときこそ、家族みんなで気軽に声を掛け合い、小さなサインを見逃さない工夫を続けていきましょう。

次回は、「会話や受け答えの変化」について、書いてみようと思います。